年末年始は、1年でもっともお金が出ていく時期です。総務省統計局「家計調査」によると、二人以上の世帯の消費支出は2025年12月が351,522円で、同じ年の月平均(約314,000円)より約3.8万円多く、12か月のなかで最高でした。帰省・お年玉・おせち・クリスマス・忘年会と、ふだんの家計簿には出てこない出費が同じ月に重なるからです。この記事では、年末年始にかかるお金を項目ごとの目安金額つきで一覧にし、それを「特別費」として無理なく準備する方法を解説します。
そもそも特別費とは何か、どんな項目が当てはまるのかは特別費とは?一覧と年間平均の目安【全項目リスト付き】でまとめて解説しています。
年末年始の出費は「12月」に集中する|家計調査で見る実額
まず、公的な統計で「どれくらい増えるのか」を確認しておきましょう。総務省統計局「家計調査」の二人以上の世帯・1世帯当たり1か月間の消費支出は、次のように動いています。
| 月 | 2024年 | 2025年 |
|---|---|---|
| 1月 | — | 305,521円 |
| 2月 | — | 290,511円 |
| 3月 | — | 339,232円 |
| 8月 | 297,487円 | 313,977円 |
| 11月 | 295,518円 | 314,242円 |
| 12月 | 352,633円 | 351,522円 |
出典:総務省統計局「家計調査報告(家計収支編)」月次結果より抜粋。二人以上の世帯の平均値です。
ポイントは2つあります。
- 12月は2年連続で年間トップ。2025年の月平均(12か月を単純平均すると約314,000円)と比べて約3.8万円、率にして約12%多い計算です。
- 意外なことに、1月は年平均より少ない(2025年1月は305,521円)。つまり「年末年始の出費」の正体は、ほとんどが12月に前倒しで発生しているということです。
年が明けてから慌てても遅い、というのがこの数字の意味するところです。12月に入る前、できれば秋のうちに「いくら必要か」を出しておく必要があります。
年末年始にかかるお金の内訳と目安【一覧表】
年末年始の出費は「これ1つで数十万円」というものではなく、数千円〜数万円が10個ほど重なるのが特徴です。だからこそ、ひとつずつ見ると大したことがないように見えて、合計すると家計を直撃します。
| 項目 | 目安金額 | 出やすい時期 |
|---|---|---|
| 帰省・年末年始の国内旅行 | 約47,900円(予算の平均) | 12月下旬〜1月上旬 |
| お年玉 | 1人あたり約2,900円〜6,500円 | 1月上旬 |
| おせち料理 | 市販品の平均価格 約29,100円/予算は1.5万円以内が過半 | 12月 |
| 年末年始の食費の上乗せ分 | 約21,600円(12月の食料費の平均との差) | 12月 |
| クリスマスプレゼント(子ども1人) | 約8,400円 | 12月 |
| 忘年会・新年会 | 1回あたり約4,400円〜5,100円 | 12月〜1月 |
| 年賀状 | はがき1枚85円+印刷代 | 12月 |
| 大掃除用品・クリーニング | —(公的な調査なし) | 12月 |
| お歳暮 | —(信頼できる調査なし。3,000〜5,000円という業界目安のみ) | 12月上旬 |
金額はすべて目安です。各項目の出典は以下の解説をご覧ください。
帰省・年末年始の旅行
株式会社インテージ「年末年始に関する調査」(2025年12月発表、全国15〜79歳男女5,000人)によると、年末年始の国内旅行・帰省の予算は平均47,871円(前年比103%)でした。ただしこれは旅行と帰省を合算した予算なので、帰省だけの費用ではない点に注意してください。
同じ調査では「年末年始に旅行や帰省の予定はない」が60.2%(前年比+3.8ポイント)と増えており、実家への帰省は14.4%まで下がっています。帰省するかどうかで、年末年始の家計は大きく変わります。
お年玉
いこーよ総研の調査(2024年12月実施、子ども530名分)では、子ども1人が受け取る総額の平均は12,341円。1袋あたりの平均は次のとおりです。
| 年齢 | 1袋あたりの平均 |
|---|---|
| 0〜2歳 | 2,897円 |
| 3〜5歳 | 3,197円 |
| 6〜8歳 | 3,195円 |
| 9〜12歳 | 4,212円 |
| 13歳以上 | 6,535円 |
出典:いこーよ総研「お年玉の平均額は?」(2024年12月調査・n=530)。子育て世帯のユーザー調査であり、「もらった額」の平均です。
渡す側から見ると、甥・姪も含めて何人に渡すかで総額が決まります。中学生以上が2人いれば、それだけで1万円を超えます。人数を先に数えておくと、金額がぶれません。
おせち料理と年末年始の食費
帝国データバンクの調査によれば、2026年正月シーズンのおせち(標準的な三段重・3〜4人前)の平均価格は29,098円、前年から+1,054円(+3.8%)でした。一方でクックパッドの意識調査では、消費者の予算は「5,000〜10,000円未満」が最多の22.3%で、1.5万円以内に抑えたい層が5割を超えます。売られている商品の平均価格と、家庭の予算感には大きなギャップがあるということです。
また、おせちを買う・買わないにかかわらず、年末年始は食費そのものが膨らみます。家計調査の「食料」は2025年12月が116,474円で、同年の月平均(約94,900円)より約2.2万円(+22.7%)多い。来客・お酒・お取り寄せなどが重なるためです。
クリスマス
株式会社バンダイの継続調査(2025年11月発表、3〜12歳の子を持つ男女600人)では、クリスマスプレゼントの予算は平均8,378円で2年連続の増加。ボリュームゾーンは「5,000円以上〜6,000円未満」(43.8%)でした。これは子ども1人分のプレゼントのみの金額なので、ケーキやごちそう、大人同士のプレゼントは別途かかります。
忘年会・新年会
ぐるなびの調査(2025年9月実施、20〜60代の会員1,330人)によると、忘年会で払ってもよいと思う金額はビジネスの席で平均4,445円、プライベートで5,085円。最多価格帯はいずれも「4,500〜5,000円未満」でした。職場・友人・親戚と3回重なれば1.5万円前後になります。
年賀状
日本郵便によると、2026年用の年賀はがきの当初発行枚数は7億4,841万枚で、前年の約10.7億枚から約70%に減りました。はがき料金は2024年10月に63円から85円へ値上げされています。前掲のインテージ調査では「年末年始にかけるお金を減らすもの」の1位が年賀状(10.2%)で、前回出した人のうち17.4%が「今回は送らない」と答えています。100枚出せば、はがき代だけで8,500円。印刷代を含めるとさらに増えるため、見直しの対象になりやすい費目です。
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年明けに効いてくる「1月・2月の光熱費」も忘れずに
年末年始の出費は12月に集中しますが、そのすぐ後ろに光熱費のピークが控えています。家計調査の「光熱・水道」は2025年1月が29,572円、2月が31,877円で、年平均(約24,500円)を大きく上回ります。12月の出費で家計が薄くなったところに、暖房代の請求が届く——これが年明けの家計が苦しくなる本当の理由です。
年末年始の準備をするときは、1月・2月の光熱費の上振れ分(月あたり5,000〜7,000円程度)もセットで見込んでおくと、2月に慌てずに済みます。
冬のボーナスをあてにしすぎない
「冬のボーナスで払えばいい」と考えたくなりますが、ここは慎重に。よく報じられる「冬のボーナス平均100万円超」は、経団連が集計した大手企業(22業種164社・従業員500人以上)の妥結額であり、日本全体の平均ではありません。中小企業を含めた実額はこれよりかなり低くなります。
そしてボーナスは、金額が確定するのが12月に入ってから、という人がほとんどです。金額が読めないお金を前提に予定を立てると、支給額が想定を下回った瞬間に破綻します。ボーナスは「積立でまかなえない分の補填」と位置づけ、ベースは毎月の積立で作っておくのが安全です。
年末年始の出費を「特別費」として備える3ステップ
1. 我が家の年末年始リストを書き出す
まずは金額を考えず、項目と人数だけを書き出します。「帰省(新幹線・大人2+子2)」「お年玉(甥2・姪1・自分の子2)」「忘年会2回」「年賀状60枚」というように。ここで漏れるものが、当日いちばん慌てる出費になります。
2. カレンダーに置いて「いつ出るか」を決める
次に、それぞれを実際に払う月に置きます。おせちの予約は11月、年賀状の印刷は12月上旬、帰省の交通費は切符を取る10〜11月——というように、お金が出ていくのは意外と前倒しです。年末年始の出費が「12月の1か月分」ではなく「10月から始まる」と気づけると、準備の精度が上がります。
3. 毎月の積立額を逆算する
合計額が出たら、あとは残りの月数で割るだけです。たとえば年末年始の合計を15万円と見積もり、1月からコツコツ貯めるなら月12,500円。8月に気づいたなら、12月までの5か月で月30,000円になります。早く気づくほど、毎月の負担は軽くなる——これが特別費の考え方の中心です。
この「合計から毎月の積立額を逆算する」計算は、特別費の積立方法|毎月いくら貯める?年間から逆算するコツで詳しく説明しています。
年末年始の出費に関するよくある質問
Q. 年末年始の出費は結局いくら見ておけばいい?
「年末年始の総額の平均」を出した信頼できる調査はありません。ただし公的な家計調査から、12月の消費支出はふだんの月より約3.8万円多いとわかっています。帰省をする家庭ならここに旅費が加わるため、帰省あり・子どもありの世帯で10万〜20万円を見ておくと、大きく外れにくくなります。まずは自分の家の項目を書き出して、実額で計算するのが確実です。
Q. 12月と1月、どちらに多く備えるべき?
圧倒的に12月です。家計調査では1月の消費支出はむしろ年平均を下回っています。ただし光熱費だけは1月・2月がピークなので、「現金の出方は12月、請求のピークは1〜2月」と2段階で考えるとうまくいきます。
Q. 節約するならどこから削る?
前掲のインテージ調査では、年末年始にかけるお金を減らすものの1位が年賀状(10.2%)でした。くふう生活者総合研究所の調査でも、節約の影響を受ける項目として食料品76.6%、外食費51.6%、交際費(忘年会・新年会)30.7%が挙がっています。とはいえ、削る前にまず総額を把握することが先です。総額がわからないまま削ると、削りすぎて満足度だけが下がります。
まとめ|年末年始は「12月に集中する」と知っておくだけで変わる
年末年始の出費は、帰省・お年玉・おせち・クリスマス・忘年会・年賀状と、数千円〜数万円の出費が同じ月に折り重なって起こります。公的な統計でも12月の消費支出は年間トップで、月平均より約3.8万円多い。しかも金額が読めないボーナスをあてにすると、支給額次第で計画が崩れます。
だからこそ、秋のうちに項目を書き出し、合計から毎月の積立額を逆算しておくのがいちばん確実です。年末年始を「毎年なんとなく苦しい時期」から「見通しの立っている時期」に変えられます。
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※本記事は家計の計画・見える化を目的とした情報提供であり、金融商品の勧誘や投資助言ではありません。掲載の金額はすべて目安です。統計値は執筆時点(2026年8月)で公表されている最新のものを参照しています。

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