入学・進学にかかる費用はいくら?小学校〜大学の目安一覧と特別費としての備え方

入学・進学にかかる費用の目安をまとめたアイキャッチ画像

入学・進学のお金は、家計にとって「読めるのに、いちばん重い」特別費です。文部科学省「子供の学習費調査」(令和5年度)によると、子ども1人にかかる1年間の学習費総額は公立小学校で366,599円、公立中学校で542,450円、公立高校で596,954円。さらに入学の年には、制服・ランドセル・入学金といったその年だけの初期費用が上乗せされます。この記事では、小学校から大学までの入学・進学にかかるお金を段階別の目安金額つきで整理し、「特別費」として何年も前から備える方法を解説します。

目次

入学・進学の費用が「特別費」になる理由

教育費には性格の違う2種類があります。

  • 毎月かかるお金……給食費、塾や習い事の月謝、教材費。これは月次の家計簿で管理できます。
  • 入学の年だけ、まとめてかかるお金……入学金、制服、ランドセル、通学用の自転車、受験料、滑り止めの納付金。これが特別費です。

やっかいなのは後者です。金額が大きいうえに、「4月に必要なのに、支払いは前年の秋から始まる」という時間差があります。私立中学の受験料は前年12月〜1月、高校の入学金は3月、制服の採寸は2月——気づいたときには手遅れ、という順番で来ます。

小学校〜高校の教育費の目安【学習費調査】

文部科学省「令和5年度 子供の学習費調査」による、保護者が1年間に支出した子ども1人当たりの学習費総額は次のとおりです。授業料・給食費・塾や習い事まで含んだ合計額です。

区分 公立 私立 公私の差
幼稚園 184,646円 347,338円 約1.9倍
小学校 366,599円 1,741,516円 約4.8倍
中学校 542,450円 1,560,359円 約2.9倍
高等学校(全日制) 596,954円 1,179,261円 約2.0倍

出典:文部科学省「令和5年度 子供の学習費調査」(令和6年12月公表/令和8年1月16日訂正版)。調査対象期間は2023年4月〜2024年3月で、金額はすべて平均値です。高等学校は全日制のみ。

幼稚園3歳から高校3年までの15年間で合計すると、次のようになります。

進路のパターン 15年間の合計(目安)
すべて公立 約614万円
幼稚園のみ私立 約665万円
幼稚園・高校が私立 約838万円
すべて私立 約1,969万円

なお、この調査は2年ごとに行われており、令和5年度調査では全学校種で過去最高を更新しました。とくに公立高校は前回(令和3年度)の51.4万円から59.7万円へと約16%増えています。

入学の年だけかかる「初期費用」の目安

学習費調査の金額は各学年の平均なので、入学年度の実際の負担はこれより大きくなります。たとえば公立高校の「入学金等」は年額平均18,027円ですが、これは1〜3年生を平均した数字です。実際に入学時に払う額は、おおむねその3倍前後と考えておくべきです。

小学校入学

項目 目安金額
ランドセル 62,034円(2026年入学の平均購入額)
学習机・椅子 —(購入する家庭のみ。数万円)
通学関係費(年額平均) 21,718円
図書・学用品・実習材料費等(年額平均) 26,860円

出典:ランドセルは一般社団法人日本鞄協会ランドセル工業会「ランドセル購入に関する調査 2026年」(n=1,500・購入者限定)。通学関係費と学用品費は前掲の子供の学習費調査(公立小学校)。

ランドセルの平均購入額は前年調査の60,746円から1,200円以上値上がりしており、65,000円以上の価格帯を選ぶ人が46.0%と半数近くを占めます。検討・購入のピークはどちらも入学前年の4月。つまり「年長になった春」がお金の出るタイミングです。

中学校・高校入学

中学・高校の入学でいちばん見落とされがちなのが制服です。制服には「平均額」の公的な調査がありませんが、公正取引委員会の調査では学校間の価格差が明らかになっています。

区分 最高額 最低額
公立中学校 女子セーラー服 72,000円 12,000円
公立高校 男子ブレザー 63,000円 18,000円
公立高校 女子セーラー服 62,000円 15,000円

出典:公正取引委員会「学校制服の取引実態に関する事後検証報告書」(2023年10月公表)。2022年時点のデータで、平均額ではなく学校間の最高・最低額です。

同じ「公立中学校の制服」でも、学校によって6万円もの開きがあります。進学先が決まったら、まず先輩の保護者に実額を聞くのがいちばん早い——これは統計では代えられない情報です。制服のほかに、体操服・上履き・通学カバン・自転車が加わり、合計10万円を超えることも珍しくありません。

大学進学にかかるお金

受験にかかる費用

大学進学で見落とされやすいのが、入学する前に消えるお金です。

進学先 受験費用 入学しなかった学校への納付金
大学(全体) 30.3万円 10.5万円
国公立大学 28.6万円 10.0万円
私立大学 文系 31.3万円 9.9万円
私立大学 理系 32.2万円 10.0万円

出典:日本政策金融公庫「令和3年度 教育費負担の実態調査結果」(2021年12月発表・有効回答4,700人)。「受験費用」は受験料に加えて受験のための交通費・宿泊費を含みます。この調査は令和3年度を最後に更新されていないため、現在はより高くなっている可能性があります。

受験費用が30万円というのは、多くの人の想像より大きいはずです。私立大学の受験料は1校あたり3万〜3.5万円で、併願が5校あれば受験料だけで15万円以上。地方から都市部の大学を受けるなら、交通費と宿泊費がさらに乗ります。加えて滑り止め校に払って、結局入学しなかった納付金が約10万円。これらは「入学前に確実に消えるお金」です。

入学金・初年度納付金

区分 入学料 授業料(年額) 初年度納付金の合計
私立大学(学部) 240,365円 968,069円 1,507,647円
私立短期大学 236,054円 734,328円 1,288,032円
国立大学(省令の標準額) 282,000円 535,800円 —

出典:私立は文部科学省「私立大学等の令和7年度入学者に係る学生納付金等調査結果について」(2025年12月公表・私立大学592校の定員1人当たり平均)。初年度納付金には施設設備費・実験実習料等を含みます。国立は「国立大学等の授業料その他の費用に関する省令」の標準額で、各大学は標準額の120%を上限に独自に設定できます。

私立大学の初年度納付金は約151万円。前回調査(令和5年度・約148万円)から2.1%増えています。さらに自宅外通学になる場合は、日本政策金融公庫の同じ調査で入居や家財道具のための費用が1人当たり38.7万円、仕送りが年間平均95.8万円とされています。

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入学・進学費用を特別費として備える3ステップ

1. 「入学の年」をカレンダーに置く

子どもの生まれ年がわかれば、入学の年は今日この瞬間に確定します。これは冠婚葬祭や家電の故障と違って、唯一「日付が最初からわかっている特別費」です。小学校入学、中学校入学、高校入学、大学入学——4つの年をまず年表に書き込みましょう。

2. 支払いが始まる「前年の秋」から逆算する

入学は4月ですが、お金が動き始めるのはその前年です。

時期 動くお金
入学前年の春 ランドセル(小学校)/塾の費用が本格化
入学前年の冬(12〜1月) 受験料・出願費用
入学前年の2〜3月 入学金、滑り止め校への納付金、制服の採寸・注文
入学の4月 学用品、通学定期、自転車

つまり実際の山場は「入学の前年12月〜3月」です。ここを4月だと思っていると、3か月ぶん準備が遅れます。

3. 残りの月数で割って、毎月の積立額を出す

目標額と時期が決まれば、あとは割り算です。「3年後の高校入学に30万円」なら、36か月で割って月8,400円弱。「6年後の大学受験と入学に200万円」なら、72か月で月約28,000円。期間が長いほど毎月の負担は軽くなるので、入学・進学は特別費のなかでもっとも「早く始める価値が大きい」項目です。

逆算のやり方は特別費の予算の立て方|5ステップで年間の出費に備える方法でも詳しく説明しています。

入学・進学の費用に関するよくある質問

Q. 入学祝いの相場はいくら?

入学祝いには、信頼できる調査データがありません。ネット上でよく見る「小学校5,000〜10,000円」「中学校10,000〜30,000円」といった数字は、ギフト販売サイトが独自に示している目安で、統計の裏づけはありません。渡す側になる場合は、金額そのものより「何人に渡す年か」を先に数えておくほうが、家計の管理としては実用的です。

Q. 教育費は学資保険で用意すべき?

本記事は家計の見える化を目的とした情報提供であり、特定の金融商品をおすすめする立場にはありません。ただし、どの方法で用意するにせよ、「いつ・いくら必要か」を先に出しておかないと、商品を選びようがないのは共通です。まずは金額と時期を確定させることをおすすめします。

Q. 公立に進めば大きな出費はない?

いいえ。学習費調査では、公立中学校の学習費総額542,450円のうち356,018円が「学校外活動費」(塾・習い事)で、実は学校に払うお金より大きくなっています。公立か私立かにかかわらず、進学に向けた塾代は中学・高校で確実に効いてきます。

まとめ|入学・進学は「日付がわかっている」唯一の特別費

入学・進学の費用は金額こそ大きいものの、いつ来るかが最初からわかっているという点で、他の特別費とはまったく性質が違います。冠婚葬祭や家電の故障は予測できませんが、入学の年だけは今日から逆算できます。

やることは3つ。入学の年をカレンダーに置く。支払いが前年の12月から始まると知っておく。合計額を残りの月数で割る。これだけで、「4月に慌てて工面する」から「何年もかけて用意しておく」に変わります。

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※本記事は家計の計画・見える化を目的とした情報提供であり、金融商品の勧誘や投資助言ではありません。掲載の金額はすべて目安です。統計値は執筆時点(2026年8月)で公表されている最新のものを参照しています。

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この記事を書いた人

特別費カレンダー 企画・運営者。「毎月きちんと家計簿をつけているのに、車検や税金、帰省が重なる月に家計がドカンと狂う」という自身の経験から、月次家計簿に乗らない“年単位の出費(特別費)”を1月1日に見える化し、毎月の積立額を自動計算するアプリ『特別費カレンダー』を開発しました。むずかしい家計管理を、だれでも無理なく続けられる形にすることをテーマに、特別費の考え方・年間スケジュールの立て方・積立のコツをわかりやすく発信しています。

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