法事の費用はいくら?お布施・会食・引き出物の相場と、特別費として備える積立術【2026年版】

法事の費用を家計の特別費として貯金箱とカレンダーで計画する女性のイラスト

法事の費用はいくらかかるのか、いつ発生するのか──突然の案内に慌てないためには、お布施・会食・引き出物の目安を知り、年単位で備えておくのが近道です。一周忌や三回忌の法事は、10人規模で行うと総額10万〜30万円ほどが目安とされ、毎年のように訪れる家庭もあれば、数年に一度という家庭もあります。この記事では、法事の費用の内訳と相場、参列する側の香典の目安、そして家計の「特別費」として無理なく積み立てる方法を、家計管理の視点で整理しました。

なお、法事の金額は地域・宗派・寺院・会場によって大きく異なります。本記事の金額は複数の情報源に基づく一般的な目安です。実際の金額は、菩提寺や葬儀社・会場に必ずご確認ください。

目次

法事とは?年忌法要のスケジュールと家計への影響

法事(法要)とは、故人を偲び、供養するために営む仏教の儀式のことです。亡くなってから七日ごとに行う忌日法要(初七日〜四十九日)のあと、年単位で営むのが「年忌法要」です。家計にとって影響が大きいのは、この年忌法要のほうです。

主な年忌法要と営む時期

年忌法要は、亡くなった年を1年目と数えるため、「三回忌」は亡くなってから満2年、「七回忌」は満6年の時点で行います。一周忌だけは満1年で、数え方が異なる点に注意しましょう。

法要 営む時期の目安 規模の傾向
四十九日 亡くなって49日目 親族・親しい人まで
一周忌 満1年(1年後の祥月命日) 親族中心。最も丁寧に営むことが多い
三回忌 満2年 親族中心。一周忌に次ぐ規模
七回忌 満6年 家族・近親者のみで簡素にする例が増える
十三回忌 満12年 家族のみ、または僧侶の読経だけの例も
十七回忌・二十三回忌・二十七回忌 満16年・22年・26年 省略する家庭も多い
三十三回忌 満32年 弔い上げ(区切り)とする家庭が多い

年忌法要は回数を重ねるほど規模が小さくなる傾向があり、費用も下がっていくのが一般的です。ただし、年によっては複数の法事が重なることもあるため、「家族の誰の何回忌がいつか」を把握しておくことが家計管理の第一歩になります。

こうした年単位の出費は、毎月の固定費とは別に考える「特別費」の代表例です。特別費の全体像は特別費とは?一覧と年間平均の目安で、項目の洗い出しは特別費に何を入れる?項目一覧でまとめています。

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法事の費用の内訳|何にいくらかかる?

法事の費用は、大きく「僧侶へのお礼」「会食」「引き出物(お返し)」「会場・供物」の4つに分けられます。一周忌を例に、項目ごとの目安を見てみましょう。

費用項目 目安の金額 メモ
お布施(読経のお礼) 3万〜5万円 三回忌〜七回忌は3万円前後が目安
御車代(僧侶の交通費) 5,000〜1万円 自宅・会場まで来てもらう場合
御膳料(僧侶が会食を辞退) 5,000〜1万円 会食に同席する場合は不要
会食(お斎) 1人3,000〜1万円 仕出し弁当なら3,000〜5,000円程度
引き出物(お返し) 1人2,000〜5,000円 参列者の人数分+予備
供花・供物 5,000〜3万円 お供え用の花・果物・菓子など
卒塔婆料(必要な場合) 1本2,000〜1万円 宗派・寺院によっては不要
会場費 0〜15万円 自宅・寺院なら不要、会館利用なら必要

このうち金額が大きく変わるのは、会食の人数と会場です。同じ一周忌でも、自宅や寺院の本堂で営めば会場費はかからず、お布施と引き出物程度で済むこともあります。反対に、ホテルや法要専用の会館を使うと、会場費と食事代で数十万円になるケースもあります。

また、卒塔婆や供花などは宗派や寺院の考え方によって必要かどうかが分かれます。案内を出す前に、寺院へ「必要なもの」と「金額の目安」を確認しておくと、予算がぶれにくくなります。

お布施の相場|法要別の目安と渡し方

お布施を用意する白い封筒とお盆のイラスト

お布施は、読経や法話に対する感謝の気持ちとして僧侶にお渡しするもので、「定価」はありません。そのため金額に迷う方が多い項目ですが、一般的な目安は次のとおりです。

回忌ごとのお布施の目安

法要 お布施の目安
四十九日・一周忌 3万〜5万円前後
三回忌〜七回忌 3万円前後
十三回忌以降 1万〜3万円前後

上記に加えて、僧侶に会場まで足を運んでもらう場合は「御車代」、僧侶が会食に参加されない場合は「御膳料」を、それぞれ5,000円〜1万円程度、別の封筒で包むのが一般的です。

金額に迷ったときの考え方

お布施の金額は、寺院との関係性や地域の慣習で幅があります。もっとも確実なのは、菩提寺に「皆さまはどのくらいお包みされていますか」とたずねる方法です。失礼にはあたらず、むしろ丁寧な確認として受け止められることが多いとされています。菩提寺がない場合は、葬儀社や僧侶手配サービスに相談する方法もあります。

お渡しするときは、切手盆(小さなお盆)にのせるか、袱紗(ふくさ)に包んで持参し、法要の前後の挨拶のタイミングでお渡しします。表書きは「御布施」とし、新札か、ごく軽いシワのお札を用意すると丁寧です。

会食・引き出物の費用|人数で総額が決まる

法事の会食と引き出物のイメージイラスト

法事の総額を左右する最大の要素は、参列者の人数です。会食と引き出物は、どちらも「1人あたりの金額×人数」で決まるため、人数が増えるほど費用が比例して膨らみます。

会食(お斎)の目安

会食は1人あたり3,000円〜1万円、中心帯は5,000〜7,000円ほどとされています。お店で会席料理を囲む場合は高めに、仕出し弁当を自宅や会場で配る場合は3,000〜5,000円程度に収まります。近年は、会食を行わず、持ち帰り用のお弁当をお渡しする形も増えています。

引き出物(お返し)の目安

引き出物は1人あたり2,000円〜5,000円が目安で、お茶・海苔・お菓子・タオルなどの「消えもの」が選ばれることが多いです。いただく香典の半額〜3分の1程度を目安に考える「半返し」「3分の1返し」の考え方もありますが、法事では会食をお出しする場合、その分を加味して引き出物を控えめにする例もあります。

参列者の人数が読みにくいときは、引き出物を少し多めに用意し、余った分は後日お届けするのが安心です。なお、法事に近い年中行事の贈り物はお中元・お歳暮の相場の記事も参考にしてください。

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参列する側の香典の相場

法事は主催する側だけでなく、親族として招かれる側にも出費が発生します。香典の金額は、故人との関係の近さと、会食の有無で変わります。

故人との関係 会食あり 会食なし
両親・義両親 1万〜5万円 1万〜3万円
祖父母 5,000〜3万円 5,000〜1万円
兄弟姉妹 1万〜3万円 5,000〜1万円
おじ・おば・いとこ 5,000〜2万円 3,000〜1万円
友人・知人 5,000〜1万円 3,000〜5,000円

上の表は、あくまで一般的な目安です。夫婦で参列する場合は金額を上乗せしたり、法要の回が進むほど金額を下げたりするのが通例ですが、親族間で「うちはこのくらい」という暗黙の取り決めがあることも少なくありません。迷ったときは、年長の親族に確認すると安心です。香典全般のマナーは香典の相場とマナーで、慶事を含む冠婚葬祭費の全体像は冠婚葬祭費の平均は年間いくら?で解説しています。

法事の総額シミュレーション|規模別の目安

ここまでの目安をもとに、規模別の総額をシミュレーションしてみましょう。あくまで一般的な目安で、会場や地域で変わります。

パターン 内容 総額の目安
法要のみ(10名) お布施+引き出物(会食なし) 約5万〜6万円
小規模(親族10名) お布施+会食+引き出物 約11万〜12万円
一般的な規模(20名) お布施+会食+引き出物+供花 約19万〜22万円
会館・ホテル利用 会場費・会食を含む 約20万〜30万円以上

たとえば、親族10名で一周忌を行う場合、お布施3万5,000円、会食5万円、引き出物3万円で約11万5,000円。20名規模なら、おおむね2倍の20万円前後と見ておくと現実的です。

こうして見ると、法事は「一度に10万円以上」が動く出費です。月々の家計から出そうとすると、貯金を崩したり、クレジットカードの分割に頼ったりしがちです。だからこそ、あらかじめ「特別費」として積み立てておくことが大切になります。

法事の費用を特別費として積み立てる方法

法事の費用を年間カレンダーで積み立てて備えるイメージ

法事は、日程が数か月前に決まる出費です。ただ、近しい人が亡くなった直後でなくても、年忌のタイミングは事前に分かります。つまり「今から備えられる」出費です。

ステップ1:今後5年分の法事を書き出す

まずは、家族・親族の亡くなった年から、今後5年のうちに来る年忌法要を書き出します。自分が主催するもの、参列するものを分けておくと、費用の見積もりが楽になります。

ステップ2:1回あたりの予算を決めて年額にする

主催する法事の予算(例:15万円)と、参列する法事の香典(例:1回1万〜2万円)を年ごとに合計します。たとえば、来年に主催1回(15万円)と参列2回(計3万円)があれば、年間18万円です。これを12で割ると、毎月1万5,000円。ボーナスで一部を貯める場合は、その分を差し引いて計算します。

ステップ3:専用の口座・財布に分けて積み立てる

決めた金額を、生活費とは別の口座に自動で移す仕組みにします。積立の考え方は特別費の積立方法、1月始めに年間の予定を見える化するコツは特別費の年間スケジュールの作り方で詳しく解説しています。

法事と一緒に考えたい「発生する月」

法事は命日の前後に営まれるのが一般的ですが、同じ時期にまとまる出費もあります。年間カレンダーに並べておくと、備えやすくなります。

時期 出費の例 目安
命日の前後(年による) 年忌法要の主催・参列 主催10万〜30万円/参列1万〜数万円
3月・9月(春・秋のお彼岸) お墓参り・お供え・お寺へのお布施など 数千円〜数万円
8月(お盆) お墓参り・お供え・帰省など 数千円〜(帰省は別途)

お盆の時期は帰省費用も重なります。帰省費用の平均は年間いくら?もあわせて確認し、「8月は帰省と法事で出費がかさむ」といった年間の山を把握しておきましょう。

法事の費用を無理なく抑えるコツ

供養の気持ちは金額では測れません。無理のない範囲で、費用をおさえる工夫もあります。

規模・形式を見直す

七回忌以降は、家族のみで営む例が増えます。会食を省いてお弁当の持ち帰りにする、お寺の本堂を借りて会場費をかけない、といった選択肢があります。親族に事前に相談し、「今回は家族だけで」と合意しておくと角が立ちません。

早めに見積もりを取る

会食会場や仕出し、引き出物は、複数社で見積もりを取ると数万円単位で差が出ることがあります。日程が決まったら、できるだけ早めに動き出しましょう。

法事をまとめて営む(併修)という選択

同じ年に複数の年忌が重なる場合、寺院の了解を得たうえで併せて営む「併修」という方法もあります。可否は寺院や宗派、地域によって異なるため、まず寺院に相談してみましょう。費用の見直し全般は特別費を節約する方法も参考になります。

まとめ|法事の費用は「いつか来る特別費」として備えておく

法事の費用は、お布施・会食・引き出物・会場の4つで構成され、10人規模なら総額10万〜30万円が目安です。参列する側も、1万円前後〜数万円の香典が必要になります。金額は地域や寺院で変わるため、まず菩提寺や親族に確認することが大切です。

そして、法事は日程が事前に分かる出費です。今後5年の年忌を書き出し、年額を12で割って毎月積み立てておけば、家計を崩さずに故人を偲ぶ時間を迎えられます。

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※本記事は家計の計画・見える化を目的とした情報提供であり、金融商品の勧誘や投資助言ではありません。掲載の金額はすべて目安です。宗教的な作法や金額は、宗派・地域・寺院によって異なります。

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この記事を書いた人

特別費カレンダー 企画・運営者。「毎月きちんと家計簿をつけているのに、車検や税金、帰省が重なる月に家計がドカンと狂う」という自身の経験から、月次家計簿に乗らない“年単位の出費(特別費)”を1月1日に見える化し、毎月の積立額を自動計算するアプリ『特別費カレンダー』を開発しました。むずかしい家計管理を、だれでも無理なく続けられる形にすることをテーマに、特別費の考え方・年間スケジュールの立て方・積立のコツをわかりやすく発信しています。

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