子どもの歯列矯正の費用はいくら?第1期・第2期の相場と医療費控除、特別費としての備え方【2026年版】

子どもと親がカレンダーを見ながら歯列矯正の費用を相談するイラスト

子どもの歯列矯正の費用は、始める時期や装置によって幅があるものの、総額で60万〜120万円ほどが目安とされ、しかも2〜5年の長期にわたって払い続ける「特別費」の代表格です。「いつから・いくらかかるのか」「医療費控除で戻るのか」「保険は使えるのか」を、先に知っておくだけで家計の準備はぐっと楽になります。この記事では、子どもの歯列矯正の費用相場と内訳、医療費控除の考え方、特別費としての積立方法まで、家計管理の視点でわかりやすく整理します。

目次

子どもの歯列矯正の費用は「総額60万〜120万円」が目安|まず結論

最初に全体像をつかみましょう。小児矯正(子どもの矯正)は、大きく「第1期治療」と「第2期治療」の2段階に分かれるのが一般的です。第1期はあごの成長を利用して歯が並ぶ土台を整える時期、第2期は永久歯が生えそろってから歯並びを仕上げる時期にあたります。第1期だけで終わる子もいれば、第2期まで続けて通う子もいて、トータルの費用はその分かれ道で大きく変わります。

多くの矯正歯科では、検査・診断料、装置代(基本料金)、毎月の調整料、治療後の保定(後戻りを防ぐ期間)の費用が別立てになっています。広告に出ている「矯正○○万円」という数字が装置代だけを指している場合もあるため、「総額でいくらか」を最初に確認することが大切です。なお、費用は医院ごとに自由に設定できる自由診療のため、ここで紹介する金額はあくまで目安です。

家計の観点で押さえたいポイントは3つです。1つ目は、一度に払うのではなく数年にわたって発生する支出であること。2つ目は、条件を満たせば医療費控除の対象になり、税金が戻る可能性があること。3つ目は、早めに準備を始めた家庭ほど、無理のない月々の積立額で済むことです。

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子どもの歯列矯正の費用相場|第1期・第2期・総額の目安

歯科医院で笑顔の歯科医師と診察を受ける子どものイラスト

費用の目安を、段階ごとに表にまとめました。実際の金額は地域・医院・装置の種類で変わるため、「だいたいこのくらいの規模感」として見てください。

項目 費用の目安 主な時期・期間
相談・精密検査・診断料 1万〜5万円前後 治療開始前(1回〜数回)
第1期治療(装置代) 20万〜50万円前後 小学校低学年〜高学年、1〜3年程度
第2期治療(装置代) 40万〜90万円前後 永久歯が生えそろってから、1.5〜3年程度
毎月の調整料(再診料) 3千〜1万円前後/回 月1回ペースで通院
保定(リテーナー)・経過観察 数万円〜10万円前後 治療後1〜3年程度
総額の目安 60万〜120万円前後 トータル3〜6年にわたることも

相場感として、成人を含む全体の矯正費用の目安は、ワイヤー矯正で部分矯正が30万〜60万円程度、全体矯正が60万〜130万円程度、マウスピース型で全体矯正が60万〜100万円程度とされています(いずれも医院により異なります)。子どもの場合は、成長に合わせて装置を替えながら段階的に進めるため、「第1期+第2期」の合計で考えるのが現実的です。

「第1期でほぼ終わった」というケースもあれば、「第1期のあとに様子を見て、第2期は中学生以降に開始」というケースもあります。いずれにしても、最初の診断の段階で「想定される治療期間」「総額」「追加費用が発生する条件」を書面でもらい、家計のスケジュールに落とし込んでおくと安心です。

費用の内訳|装置代以外にかかるお金を見落とさない

貯金箱とコインと壁掛けカレンダーのイラスト

子どもの矯正で「思ったより高かった」と感じる原因の多くは、装置代以外の費用の見落としです。代表的なものを整理します。

検査・診断料

レントゲン(パノラマ・セファロ)、歯型の採取、口腔内写真などを行う精密検査の費用です。相談は無料の医院も多いものの、精密検査は有料が一般的です。

装置代(基本料金)

第1期では、あごを広げる拡大床、取り外し式の装置、部分的なワイヤー装置などが使われます。第2期では、ブラケットとワイヤーを使う方法やマウスピース型などが選ばれます。装置が複雑になるほど、また使用期間が長いほど、金額は上がる傾向があります。

調整料・再診料

毎月の通院ごとに支払うタイプと、装置代に含まれるタイプがあります。たとえば1回5千円を月1回、2年通うと12万円です。「調整料込み」の表示かどうかで、総額が大きく変わるので要注意です。

保定装置・保定期間の費用

歯並びが整ったあとも、後戻りを防ぐために保定装置(リテーナー)を使います。装置代、定期チェックの通院費用、紛失・破損時の再作製費用などがかかる場合があります。

むし歯治療・クリーニング、通院の交通費

矯正中は歯みがきが難しくなり、むし歯や歯肉炎のリスクが上がります。矯正とは別にクリーニングや虫歯治療が必要になることもあるため、年に数万円の「予備」を見込んでおくと慌てません。遠方の矯正歯科に通う場合は、毎月の交通費も数年単位では大きな額になります。

保険は使える?適用される例外ケース

歯列矯正は、見た目や噛み合わせの改善を目的とする場合、原則として公的医療保険の対象外(自由診療)です。ただし、例外として保険が適用される場合があります。具体的には、厚生労働大臣が定める疾患(口唇口蓋裂などの先天性の疾患など)に起因する不正咬合、3本以上の永久歯の萌出不全で外科的処置が必要なケース、顎の変形が大きく外科手術を伴う顎変形症などです。いずれも、指定を受けた医療機関で診断を受ける必要があります。

該当するかどうかは、かかりつけの歯科医や矯正歯科で相談するのが確実です。「うちの子は保険が使えるのでは」と思ったら、初回の相談で遠慮なく聞いてみましょう。なお、保険適用の範囲や指定疾患は改正されることがあるため、最新の情報は厚生労働省や医療機関で確認してください。

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医療費控除で税金が戻る?子どもの矯正が対象になる条件

家計簿と領収書と電卓で確定申告の準備をする母親のイラスト

子どもの矯正費で見逃せないのが医療費控除です。国税庁のタックスアンサーでは、発育段階にある子どもの成長を阻害しないようにするために行う不正咬合の歯列矯正は、年齢や目的から見て必要と認められる場合、医療費控除の対象になるとされています。一方で、容ぼうを美化するための矯正は対象になりません。

つまり「見た目のためだけ」ではなく、「噛み合わせや発育のために必要な治療」という位置づけが大切です。判断が難しい場合は、矯正歯科で「医療費控除の対象になり得る治療か」を確認し、領収書を必ず保管しておきましょう。

控除額の計算の考え方

医療費控除の額は、おおまかに「1年間に支払った医療費の合計 − 保険金などで補てんされた金額 − 10万円(総所得金額等が200万円未満の人は、総所得金額等の5%)」で計算され、上限は200万円です。1年間に支払った医療費は、家族全員分を合算できます。

1年間の医療費合計(矯正費+その他) 控除額の目安 戻る税金の目安(税率合計20%と仮定)
30万円 20万円 約4万円
50万円 40万円 約8万円
80万円 70万円 約14万円
100万円 90万円 約18万円

戻る金額は所得税率や住民税率により変わります。上の表は「所得税+住民税の合計税率が20%」と仮定した単純な目安で、実際の還付額は人によって異なります。

申告のポイントと注意点

医療費控除は、会社員でも自分で確定申告をする必要があります。申告期限から5年さかのぼって手続きできますが、早めに行うのが安心です。ポイントをまとめます。

まず、矯正費は「実際に支払った年」の医療費として申告します。分割で払っている場合は、その年に支払った分が対象です。デンタルローンを使った場合は、ローン契約書や信販会社の領収書が必要で、ローンの金利・手数料は控除の対象外です。次に、通院のための交通費は、電車やバスなど公共交通機関の運賃が対象で、自家用車のガソリン代や駐車場代は対象外です。また、領収書は5年間の保管が推奨されます。詳細は国税庁のタックスアンサーや最寄りの税務署、税理士に確認してください。

ほかにも、年間の医療費がかさむ年は、同じ年に家族の医療費もまとめて申告すると控除額が大きくなります。インフルエンザの予防接種のように控除対象外のものもあるので、対象かどうかを一覧で整理しておくとスムーズです。

支払い方法の選び方|一括・分割・デンタルローン

矯正費の支払い方法は、医院によって異なります。主な選択肢を比較してみましょう。

一括払いは、総額を始める前、または装置装着時に払う方法です。医院によっては割引がある場合もありますが、数十万円をまとめて用意する必要があります。分割払い(医院独自)は、装置代を数回に分け、残りを毎月の調整料と一緒に払う形です。金利がかからないことが多いのが利点です。デンタルローンは、信販会社を通じて分割する方法で、月々の負担を平準化できますが、金利・手数料がかかり、その分は医療費控除の対象外です。

家計の面では、「月々の負担がいくらなら無理がないか」を先に決めたうえで、無金利で分割できる医院を探すのが基本です。クレジットカード払いが可能な医院なら、ポイント還元を得られる場合もありますが、分割・リボ払いの手数料には注意が必要です。

特別費として備える|矯正費の積立シミュレーション

家族3人が歯ブラシと笑顔の歯のモチーフと一緒に歩くイラスト

矯正費は、毎月の生活費ではなく、数年に1度まとまって発生する「特別費」として考えるのがおすすめです。特別費の基本的な考え方は特別費とは?、毎月の積立額の出し方は特別費の積立方法で詳しく解説しています。

たとえば、矯正を始める3年前から準備するとして、総額別の月々の積立額の目安は次のとおりです(36か月で割った単純計算)。

矯正費の総額 36か月で準備する場合の月額 60か月(5年)で準備する場合の月額
60万円 約16,700円 約10,000円
80万円 約22,200円 約13,300円
100万円 約27,800円 約16,700円
120万円 約33,300円 約20,000円

実際には、矯正は「始める前にまとまった装置代」「治療中に月々の調整料」という二段構えで出ていくことが多いため、「装置代用の積立」と「毎月の調整料用の予算」を分けて考えると管理しやすくなります。子どもの成長に伴う出費全体は子育て世帯の特別費一覧、制服や入学準備のように時期が決まっている出費は制服代の記事も参考にしてください。

また、矯正は他の特別費と重なる年に家計の負担が膨らみがちです。子どもが小学校高学年〜中学に上がる時期は、入学準備や塾代も重なります。年間スケジュールの作り方で出費の発生する月を一覧にしておくと、「この年は余裕がない」という事態を事前に防げます。項目の洗い出しは特別費の項目一覧が便利です。

後悔しない矯正歯科選びのチェックリスト

費用の面で後悔しないために、契約前に確認しておきたい項目をまとめます。

総額(検査・装置・調整料・保定)がいくらか、書面で提示されるか。追加費用が発生するケース(装置の破損、治療期間の延長など)の説明があるか。第1期と第2期を通した治療計画を説明してくれるか。治療の必要性やデメリットも含めて、複数の選択肢を示してくれるか。医療費控除に必要な領収書の発行に対応しているか。可能なら、セカンドオピニオンとして複数の医院で相談し、見積もりを比較する。日本矯正歯科学会の認定医・専門医が在籍しているかも、ひとつの目安になります。

特に「早く始めたほうが安くすむ」「今すぐ契約すれば割引」といった急かす提案には慎重になりましょう。子どもの矯正は、始める時期や方法が複数あり、必要性は個々の歯並びやあごの成長によって異なります。最終的な治療方針は、必ず歯科医師の診断のもとで決めてください。

まとめ|矯正費は「数年がかりの特別費」として早めに準備を

子どもの歯列矯正は、総額60万〜120万円ほどが目安で、数年にわたって支払いが続く大きな特別費です。ポイントを整理します。費用は自由診療で医院によって異なるため、総額を書面で確認すること。保険適用は一部の疾患などの例外に限られること。発育のために必要な矯正は医療費控除の対象になり得るため、領収書を保管して確定申告を検討すること。そして、始める3〜5年前から月1万〜3万円程度を目安に積み立てれば、家計への負担を抑えやすいことです。

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※本記事は家計の計画・見える化を目的とした情報提供であり、金融商品の勧誘や投資助言ではありません。掲載の金額はすべて目安です。医療・税務の判断は、歯科医師・税務署・税理士等の専門家にご確認ください。

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この記事を書いた人

特別費カレンダー 企画・運営者。「毎月きちんと家計簿をつけているのに、車検や税金、帰省が重なる月に家計がドカンと狂う」という自身の経験から、月次家計簿に乗らない“年単位の出費(特別費)”を1月1日に見える化し、毎月の積立額を自動計算するアプリ『特別費カレンダー』を開発しました。むずかしい家計管理を、だれでも無理なく続けられる形にすることをテーマに、特別費の考え方・年間スケジュールの立て方・積立のコツをわかりやすく発信しています。

→株式会社アクセス・リンク公式サイト

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