出産準備の費用はいくらかかるのか――初めての妊娠中は、ベビーベッドやベビーカー、肌着やおむつまで「何をいくら用意すればいいのか」が見えにくく、不安になりがちです。調べてみると、ベビー用品の総額は「5万〜20万円程度」という見方もあれば、「新品でそろえると20〜30万円」という見方もあり、幅がとても大きいことに気づきます。この記事では、出産準備の費用の総額の目安と大型用品の相場、新品・レンタル・中古・お下がりの使い分け、そして出産費用や公的な給付とあわせた「特別費」としての備え方まで、家計の目線で整理します。掲載の金額はすべて目安で、家庭や地域、選ぶ商品によって変わります。
出産準備の費用はいくら?総額の目安は「5万〜30万円」と幅が広い

まず結論から言うと、出産準備の費用に「これが正解」という一つの金額はありません。参考にした資料でも、ベビー用品の総額は「出産前後で揃える分が5万〜20万円程度」(All About)、「新品で一式そろえると20〜30万円が目安」(投資のコンシェルジュ)と、見る角度によって数字が違います。この差は、「何を数に入れるか」と「新品で買うか、借りる・譲ってもらうか」で生まれます。
たとえば、ベビーベッド・ベビーカー・チャイルドシートの大型3点だけで、合計約10万円という目安があります。そこに肌着・おむつ・哺乳瓶・寝具・衛生用品までを新品で加えていくと、20〜30万円に近づきます。一方で、大型用品をレンタルや中古にし、衣類をお下がりにすれば、総費用を半額以下に抑えられるという見方もあります。つまり出産準備の費用は、「何を」「どの方法で」そろえるかを決めた時点で、ようやく具体的な金額になるものです。
「妊婦さん自身の準備費」も別にかかる
赤ちゃんのものだけでなく、ママ自身の準備費もあります。All Aboutでは、マタニティ用品・出産準備費を「2万〜10万円程度」としています。また、楽天市場のMama’s Lifeが紹介している内閣府の古い調査(2009年)では、第1子の妊娠中の出産準備費(ベビー用品を含まない、ママにかかるお金)の平均が65,662円で、そのうち妊婦用品・衣料費等が44,100円でした。調査は少し前のものなので金額そのものは参考程度ですが、「赤ちゃんの用品とは別に、ママの分もかかる」という点は今も変わりません。
この記事では、総額の見方を次のように整理します。「大型用品+日用品の総額」を中心に、まず幅を知り、そのうえで自分たちの家庭がどのあたりに収まりそうかを考えていきましょう。
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出産準備品の費用の内訳|カテゴリ別の目安と買うもの一覧

総額の幅を理解したところで、次は中身を分解します。出産準備品は、大きく「ママの入院・ケア用品」「赤ちゃんの衣類」「寝具・お出かけ用品などの大型用品」「日用品・消耗品」の4つに分けて考えると、予算の見通しが立てやすくなります。楽天市場のMama’s Lifeの記事では、ママの入院準備品が17,000円程度、ママのケア用品が10,000円程度、赤ちゃんの衣類が15,000円程度という編集部の目安が紹介されています(調査データではなく目安)。
| カテゴリ | 主な内容 | 費用の目安 | 準備したい時期 |
|---|---|---|---|
| ママの入院準備品 | パジャマ・産褥ショーツ・授乳用品など | 17,000円程度 | 妊娠8〜9か月ごろまで |
| ママのケア用品 | 骨盤ベルト・乳頭ケアなど | 10,000円程度 | 妊娠後期〜産後 |
| 赤ちゃんの衣類 | 短肌着・コンビ肌着・カバーオール・おくるみなど | 15,000円程度 | 妊娠7〜8か月ごろ(水通しの時間も) |
| ベビー用品全体(出産前後にそろえる分) | 肌着・おむつ・哺乳瓶・ベビーバス・体温計・ベビー布団・抱っこひも・ベビーカー・チャイルドシートなど | 5万〜20万円程度 | 妊娠6か月〜産後1〜2か月 |
| マタニティ用品・出産準備費 | マタニティウェア・下着など | 2万〜10万円程度 | 妊娠中期〜 |
※楽天市場Mama’s Lifeの編集部目安およびAll Aboutの解説をもとにした金額です。表の「準備したい時期」は、家計の計画を立てやすくするための目安であり、医療上の指示ではありません。
消耗品は「産後の継続出費」になる
おむつ・おしり拭き・ミルクなどの消耗品は、産前に買う分は少量でも、産後は毎月のように出ていきます。出産準備の費用を考えるときは、産前の「初期費用」と、産後に続く「毎月の費用」を分けて考えるのがコツです。初期費用は特別費として年間計画に組み込み、毎月の消耗品は日常の変動費として管理すると、家計が混ざりにくくなります。特別費と日常費の違いが気になる方は、特別費とは?の記事もあわせてご覧ください。
大型用品の相場|ベビーベッド・ベビーカー・チャイルドシート・抱っこひも

出産準備の費用を大きく左右するのが、ベビーベッド・ベビーカー・チャイルドシート・抱っこひもといった大型用品です。投資のコンシェルジュの解説では、ベビーベッドが2〜5万円、チャイルドシートが2〜6万円、ベビーカーが3〜8万円で、合計約10万円が目安とされています。また、楽天市場Mama’s Lifeの記事では、抱っこひもとベビーカーで5〜6万円ほどかかるとされています。
| 大型用品 | 新品の相場(目安) | おすすめの入手方法 |
|---|---|---|
| ベビーベッド | 2万〜5万円 | 短期間しか使わないためレンタルが向く |
| ベビーカー | 3万〜8万円 | 生活スタイルを見て産後に購入でも間に合う |
| チャイルドシート | 2万〜6万円 | 車を使うなら退院前に必要。安全面は新しめのものを |
| 抱っこひも | (ベビーカーと合わせて5〜6万円程度) | 首がすわってから使うタイプも多く、慌てず選べる |
※投資のコンシェルジュ、楽天市場Mama’s Lifeの記載をもとにした目安です。実際の価格は商品や時期によって異なります。
買う時期は「全部いっぺんに」でなくてよい
楽天市場Mama’s Lifeの記事では、抱っこひもは首がすわってから、ベビーカーは生後1〜2か月ごろになってから買っても遅くないと紹介されています。必要なものを優先してそろえ、あとは様子を見ながら買い足すという考え方です。出産前にすべてをそろえようとすると、使わないものまで買ってしまうことがあります。「退院の日に必要なもの」と「生後1〜2か月で必要になるもの」に分けて、購入のタイミングをずらすと、一時的な出費の山をなだらかにできます。
チャイルドシートは別記事で詳しく
車で退院する予定のご家庭では、チャイルドシートは出産前の準備リストに必ず入ります。価格帯別の相場や買い替え時期は、チャイルドシートの費用の記事で詳しく解説しています。また、ベビーカー代わりに自転車を検討している方は、電動自転車の費用もご参考にしてください。
新品・レンタル・中古・お下がり|出産準備の費用を抑える4つの振り分け方

出産準備の費用を抑えるカギは、「すべて新品」から卒業して、品目ごとに入手方法を振り分けることです。投資のコンシェルジュの解説では、大型品は中古・レンタル、衣類はお下がりを活用すれば、総費用を半額以下に抑えられるとされています。ここでは4つの方法の向き・不向きを整理します。
1. 新品で買う|長く使う・安全が最優先のもの
肌に直接触れる肌着や、毎日使う哺乳瓶などは、新品を選ぶ安心感があります。チャイルドシートのように、安全性が重視されるものも、使用年数や状態に不安がある中古より、新品や状態がはっきりしたものを選ぶ考え方があります。
2. レンタルする|使う期間が短いもの
投資のコンシェルジュの解説では、レンタルは月1,000〜5,000円程度で、ベビーベッドやハイローチェアなど、使用期間が短い品に向くとされています。返却すれば保管場所も不要になるため、住まいが広くないご家庭にも相性がよい方法です。
3. 中古を使う|定価の3〜6割で入手できることも
リサイクルショップやフリマアプリなら、定価の3〜6割で入手できる場合があるとされています。購入時は、PSCマークなど安全基準のマークを確認し、使用年数や破損・汚れ、付属品がそろっているかを必ずチェックしましょう。
4. お下がりをもらう|衣類やタオル類は相性抜群
赤ちゃんの衣類やタオル類は成長が早く、傷みにくいため、家族や友人から譲ってもらうと大きく節約できます。もらう前に、必要な量や時期(サイズ)を伝えておくと、ダブりを防げます。出産祝いを現金やギフトでいただく機会もあるので、お返しの予算とあわせて出産祝いの相場もチェックしておくと安心です。
| 入手方法 | 向いている品目 | 注意点 |
|---|---|---|
| 新品 | 肌着・哺乳瓶・チャイルドシートなど | 総額が上がりやすい |
| レンタル | ベビーベッド・ハイローチェアなど | 月1,000〜5,000円程度。期間が長いと割高に |
| 中古 | ベビーカーなど | 定価の3〜6割。安全基準マーク・状態を確認 |
| お下がり | 衣類・タオル類 | 量とサイズが偏らないよう事前に相談 |
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この記事のカテゴリ別の目安で洗い出した項目を、あとは並べるだけ。冠婚葬祭・税金・車検・帰省・家電の買い替えなど年単位の出費を1月1日に見える化し、毎月いくら積み立てればいいかを自動計算します。口座連携は不要、まずは無料でお試しください。
出産準備はいつから?買う時期の目安と、費用が発生する月

「出産準備はいつから始めればいいの?」という疑問は多くの方が抱きます。ひとつの目安として、体調が安定しやすい妊娠中期(5〜7か月ごろ)に情報収集と予算決めを始め、妊娠8か月ごろまでに入院準備と赤ちゃんの衣類を、産後に使う大型用品は「いつまでに必要か」を逆算してそろえる、という流れがよく紹介されています。ただし、妊娠の経過には個人差があり、早めに入院になる場合もあります。体調と医療機関の案内を最優先に、無理のない範囲で進めてください。
| 時期(目安) | やること | 発生しやすい出費 |
|---|---|---|
| 妊娠初期〜中期 | 予算の枠決め・情報収集・マタニティ用品 | マタニティウェア・下着 |
| 妊娠7〜8か月ごろ | 衣類・寝具の購入と水通し、レンタルの申込み | 肌着・ベビー布団・レンタル料 |
| 妊娠8〜9か月ごろ | 入院バッグの準備・チャイルドシートの設置 | 入院準備品・チャイルドシート |
| 産後1〜2か月ごろ | ベビーカーや抱っこひもの購入判断 | ベビーカー・抱っこひも |
| 生後1か月ごろ | お宮参り・お祝いのお返し | 初穂料・衣装・内祝い |
※時期は家計計画の目安です。体調や医療機関の案内を優先してください。
出産前後は「出費が重なる」時期
出産準備の費用は、出産費用や入院準備、産後のお宮参りや内祝いと時期が近く、短い期間に出費が重なります。生後1か月ごろのお参りの費用はお宮参りの費用の記事、出産そのものにかかる費用は出産費用の総額の記事をご覧ください。家計全体の年間スケジュールは特別費の年間スケジュールで確認できます。
出産準備だけではない|出産費用・出産育児一時金・支援給付も合わせて考える

出産準備の費用を考えるときは、出産そのものの費用や、受け取れる公的な給付もあわせて見ておくと安心です。協会けんぽの案内によると、出産育児一時金は、産科医療補償制度に加入している医療機関で在胎週数22週以降に出産した場合、1児につき50万円(2023年4月1日以降の出産)です。在胎週数22週に達しなかった場合などは48.8万円とされています。多胎児の場合は胎児数分が支給されます。
また、直接支払制度を利用すると、出産費用が一時金を下回った場合に差額が支給されます。出産費用を一時的に立て替える負担を軽くするため、一時金の8割相当額を限度に無利子で貸し付けを受けられる出産費貸付制度も案内されています。対象の条件は加入している健康保険によって異なるため、詳しくは加入先の窓口で確認してください。
妊婦のための支援給付にも目を向けて
こども家庭庁は、妊産婦への伴走型相談支援と経済的支援を一体で行う仕組みとして「妊婦のための支援給付」を案内しています。申請はお住まいの市区町村の窓口が起点になります。給付の金額や申請時期は、自治体の案内で最新の情報を確認してください。制度の内容は改正されることがあるため、この記事の金額は固定的なものとして扱わず、必ず公式の案内を確認しましょう。
こうした給付は、出産準備品の購入費に直接充てられるとは限りません。「受け取れるお金」と「実際に支出するお金」を別々に書き出して、家計の見通しを立てるのがポイントです。子育て全体にかかる費用の流れは、子育ての特別費の記事も参考になります。
出産準備の費用を特別費として積み立てる方法|月額シミュレーション

出産準備の費用は、「いつ」「いくら」が読みにくいぶん、特別費として早めに枠を作っておくと家計が安定します。考え方はシンプルです。まず、この記事の表を参考に、目標額(総額)を決めます。次に、出産予定日から逆算して、積立期間(月数)を決めます。最後に、「目標額 ÷ 月数」を毎月の積立額にします。
| 目標額 | 6か月で貯める | 9か月で貯める | 12か月で貯める |
|---|---|---|---|
| 10万円(レンタル・中古・お下がり活用) | 月約16,700円 | 月約11,100円 | 月約8,300円 |
| 20万円(一部新品・大型は選んで購入) | 月約33,300円 | 月約22,200円 | 月約16,700円 |
| 30万円(ほぼ新品でそろえる) | 月約50,000円 | 月約33,300円 | 月約25,000円 |
※単純に目標額を月数で割った目安で、利息・手数料は考慮していません。
ボーナスと「おさがり・お祝い」を味方にする
毎月の積立がきびしいときは、ボーナスの一部を充てる方法もあります。また、出産祝いをいただく可能性や、お下がりの見込みがあれば、その分を差し引いて目標額を下げられます。逆に、お祝いのお返し(内祝い)は別に予算を確保しておきましょう。積立の考え方は特別費の積み立て方の記事で詳しく説明しています。ほかの特別費とあわせて全体を一覧で確認したい方は、特別費の一覧もどうぞ。
大切なのは、完璧な金額を当てることではなく、「幅を知って、早めに枠を作る」ことです。目標額を決めたら、実際に買い物をするたびに「予算のどこまで使ったか」を記録しておくと、足りなくなりそうなときに早めに調整できます。
出産準備の費用に関するよくある質問

Q. 出産準備の費用は、結局いくら用意すればいいですか?
A. 目安として、レンタル・中古・お下がりを活用するなら10万円前後、新品を中心にそろえるなら20〜30万円程度を見ておくと安心です。ベビー用品全体を「5万〜20万円程度」とする資料もあり、選び方次第で変わります。さらにママの出産準備費やマタニティ用品として2万〜10万円程度がかかることもあります。
Q. ベビーベッドは必ず買う必要がありますか?
A. 楽天市場Mama’s Lifeの記事でも「ベビー布団などで代用可能」とされており、必須とは限りません。住環境や寝かせ方の希望によって選べます。購入するかレンタルにするかは、使う期間と置き場所を考えて決めましょう。
Q. ベビーカーや抱っこひもは出産前に買うべきですか?
A. 必ずしも出産前に買う必要はありません。抱っこひもは首がすわってから、ベビーカーは生後1〜2か月ごろになってから買っても遅くないと紹介されています。生活スタイルが見えてから選ぶと、失敗が減ります。
Q. 出産育児一時金で、出産準備品も買えますか?
A. 出産育児一時金は出産費用に充てる前提で、直接支払制度では医療機関に直接支払われることが多い仕組みです。出産費用が一時金より少なかった場合は差額が支給されますが、準備品の購入費は別に確保しておくのが基本です。
Q. 中古のベビー用品を選ぶときの注意点は?
A. 安全基準のマーク(PSCマークなど)の確認、使用年数、破損や汚れ、付属品の有無、リコール情報の確認が大切です。チャイルドシートのように安全性に直結する用品は、新品や状態がはっきりしたものを選ぶ考え方もあります。
まとめ:出産準備の費用は「幅」を知って、早めに特別費へ

出産準備の費用は、ベビー用品全体で5万〜20万円程度、新品で一式そろえると20〜30万円程度と、選び方で大きく変わります。ポイントを整理すると、次の流れです。
まず、大型用品(ベビーベッド・ベビーカー・チャイルドシート・抱っこひも)は合計約10万円が目安で、レンタルや中古を使えば抑えられます。次に、衣類や日用品は、お下がりも活用しつつ、肌に触れるものは新品も検討します。そして、購入時期を「退院までに必要なもの」と「産後に判断するもの」に分けて、出費を分散させましょう。最後に、出産費用や出産育児一時金、妊婦のための支援給付を合わせて、家計全体の見通しを立てることが大切です。
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参考にした情報源(一次情報)
掲載の金額は目安であり、各情報源を確認した時点の内容に基づきます。最新の金額・制度は各公式ページでご確認ください。
- 協会けんぽ「出産育児一時金」:出産育児一時金の金額(1児につき50万円など)、直接支払制度、出産費貸付制度の内容を参照
- こども家庭庁「妊婦等包括相談支援事業・妊婦のための支援給付」:妊婦のための支援給付の概要と、市区町村の窓口へ申請する流れを参照
- 楽天市場 Mama’s Life「出産準備にはどれくらい費用がかかる?」:出産準備品のカテゴリ別の目安、内閣府の妊娠中の出産準備費(2009年調査)、購入時期の考え方を参照
- All About「妊娠から出産でかかるお金(分娩費等)」:ベビー用品・マタニティ用品の費用の目安(FP執筆)を参照
- 投資のコンシェルジュ「ベビー用品費用と中古・レンタルで賢く節約する方法は?」:大型用品の相場、中古・レンタルの目安を参照
※本記事は家計の計画・見える化を目的とした情報提供であり、金融商品の勧誘や投資助言ではありません。掲載の金額はすべて目安です。

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