ペットの年間費用は犬・猫でいくら?内訳と「特別費」としての備え方【2026年版】

犬と猫・カレンダー・貯金箱・コインが並ぶ、ペットの年間費用と特別費をあらわすティール配色のイラスト

ペットの年間費用は、犬でおよそ41万円、猫でおよそ20万円——アニコム損保の2025年調査ではそんな結果が出ています。毎月のフード代だけを見ていると「そんなにかかっている実感はない」と感じるかもしれませんが、実はペットのお金はワクチンや健康診断、去勢・避妊手術、トリミング、そして突然の病気やケガといった「特定の月にまとまって出ていく費用」が大きな割合を占めます。これはまさに家計でいう特別費そのもの。毎月の生活費とは別枠で年単位に備えておかないと、予防接種の時期やペットの体調不良が重なったときに家計がぐらつきます。この記事では、犬・猫の年間費用の平均と内訳を確認したうえで、どれが特別費にあたり、毎月いくら積み立てておけば安心なのかを、目安金額つきで整理します。

目次

ペットの年間費用の平均はいくら?犬・猫それぞれの目安

まずは全体像から。アニコム損保が発表した2025年版「ペットにかける年間支出調査」によると、1年間にペットにかけた支出の平均は犬が約41万円、猫が約20万円でした。犬のほうが高いのは、体が大きくフード量が多いこと、トリミングが必要な犬種が多いこと、そして狂犬病予防注射など犬ならではの費用があるためです。あくまで平均であり、犬種・体格・年齢・持病の有無で金額は大きく変わりますが、「1年でこれくらいはかかる」という感覚を持っておくと、家計の見通しが立てやすくなります。

犬の年間費用の目安

小型犬の場合、フード代がおおむね年3.6万〜6万円、トリミングが年6万〜12万円、ワクチンやフィラリア予防などの予防医療費が2.5万〜4万円、ペット保険が2.4万〜4.2万円ほど。これに日用品や医療費が加わり、小型犬でも年18万〜34万円、中型・大型犬になると年30万〜56万円が目安とされています。特に近年は動物医療の高度化で、犬の治療費の平均は前年より1割ほど増えているという調査結果もあり、医療費の備えはこれまで以上に重要になっています。

猫の年間費用の目安

猫は犬に比べてトリミングがほぼ不要で、体も小さいためフード量が少なく、年間費用は8.5万〜18.4万円程度が目安です。ただし油断は禁物で、2025年調査では猫の医療費が前年から大きく伸びており、高齢化や慢性疾患のケアで通院費がかさむケースが増えています。「猫は手がかからない=お金もかからない」とは限らず、シニア期に向けた医療費の備えは犬と同じくらい意識しておきたいところです。

ペットのお金は「毎月の出費」と「特別費」に分けて考える

ペットの費用を上手に管理するコツは、毎月コンスタントに出ていくお金(固定費に近いもの)と、特定の月にまとめて出ていくお金(特別費)を切り分けることです。フードや猫砂・ペットシーツのように毎月ほぼ一定でかかるものは、生活費として毎月の予算に組み込めば管理できます。一方で、年1回のワクチンや健康診断、数か月に一度のトリミング、初年度だけの去勢・避妊手術、そして突然の病気やケガの治療費は、金額が大きく発生月も偏っているため、毎月の生活費に紛れ込ませると家計が乱れます。こうした費用こそ特別費として別枠で管理するのが正解です。下の表で「毎月」と「特別費」、そして発生しやすい月を整理してみましょう。

費目 区分 発生しやすい月 目安金額
フード・おやつ 毎月 毎月 月3,000〜6,000円
猫砂・ペットシーツ等 毎月 毎月 月1,000〜3,000円
混合ワクチン・健康診断 特別費 春(3〜5月) 年1万〜2万円
狂犬病予防注射(犬) 特別費 4〜6月 年約3,500円+登録
フィラリア・ノミダニ予防(犬) 特別費 春〜秋 年1万〜2万円
去勢・避妊手術 特別費 初年度 1万〜4万円
トリミング 特別費 2〜3か月ごと 1回5,000〜1万円
病気・ケガの治療 特別費 不定期 数千〜数十万円
ペット保険(年払い) 特別費 加入月 年2万〜4万円
ペットホテル・預け 特別費 お盆・年末年始 1泊3,000〜6,000円

こうして並べてみると、ペットのお金の多くが実は特別費に分類されることが分かります。毎月のフード代は氷山の一角で、水面下に年単位のまとまった出費が控えているイメージです。

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特別費になるペットの出費【項目別の目安】

聴診器・注射器・カルテ・肉球が描かれた、ペットのワクチンや健康診断など予防医療の特別費をあらわすイラスト

ここからは、ペットの特別費の代表的な項目を一つずつ見ていきます。「いつ・いくら」を把握しておけば、その月が来ても慌てずに済みます。

混合ワクチン・健康診断(年1回・春が中心)

犬も猫も、感染症を防ぐ混合ワクチンは年1回の接種が基本です。費用は1回5,000〜1万円ほど。あわせて年1回の健康診断(血液検査など)を受けると、さらに5,000〜1.5万円程度かかります。多くの家庭が春先にまとめて受けるため、3〜5月は動物病院の出費が集中しやすい時期です。シニア期に入ったら、健康診断の項目が増えて費用も上がる傾向があります。

狂犬病予防注射(犬・4〜6月)

犬は法律で年1回の狂犬病予防注射が義務づけられています。注射費用が約3,500円、これに市区町村への登録・注射済票の交付手数料が数百円加わります。毎年4〜6月に自治体から案内が届くので、この時期の特別費として見込んでおきましょう。集合注射会場を利用すると病院より少し安く済むこともあります。

フィラリア・ノミダニ予防(犬・春〜秋)

フィラリア(犬糸状虫)予防は、蚊が出る春から秋にかけて毎月1回の投薬が基本で、シーズン合計で1万〜2万円ほど。ノミ・ダニ予防薬も同時期に必要になります。投薬前にフィラリア感染がないかの血液検査(1,000〜2,000円程度)を挟むのが一般的です。猫も室内飼いでノミ・ダニ予防をするケースが増えています。

去勢・避妊手術(初年度の一時費用)

去勢・避妊手術は初年度にだけ発生する大きな特別費です。目安は、犬の去勢が1.5万〜3万円・避妊が2万〜4万円、猫の去勢が1万〜2万円・避妊が2万〜3万円ほど。自治体によっては数千円の助成金が出る場合もあるので、お住まいの市区町村の制度を確認しておくと負担を抑えられます。

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いちばん怖いのは突然の病気・ケガの医療費

診察台の上の犬とハート・盾のアイコン、ペットの突然の医療費への備えをあらわすイラスト

ペットの特別費でもっとも読みにくく、そして家計への打撃が大きいのが、病気やケガの治療費です。ペットには公的な健康保険がないため、治療費は全額自己負担。誤飲による開腹手術で20万〜30万円、骨折の手術で15万〜30万円、がんの治療で数十万円といったケースも珍しくありません。アニコムの2025年調査でも医療費は前年から増加しており、犬で年約8.9万円、猫で年約4.7万円が平均的な水準です。若く健康なうちは医療費が少なくても、シニア期に一気に増えるのが一般的なので、「今かかっていない=これからもかからない」ではなく、将来に向けてコツコツ備えることが大切です。ペット保険への加入も選択肢ですが、加入する場合も保険料自体が年払いの特別費になる点は押さえておきましょう。

トリミング・ペットホテルなど季節でかさむ出費

トリミングが必要な犬種では、2〜3か月に1回・1回5,000〜1万円のトリミング代が地味に効いてきます。年間では6万〜12万円にのぼることもあり、これも立派な特別費です。さらに見落としがちなのが、お盆や年末年始の帰省・旅行でペットを預けるときのペットホテル代。1泊3,000〜6,000円が相場で、連泊すると1回で1万〜3万円になることも。家族の帰省や旅行の予算を立てるときは、ペットの預け先の費用もセットで見込んでおくと安心です。帰省や旅行そのものの費用の目安は年間スケジュールで他の特別費と一緒に並べて管理すると、出費が重なる月が一目で分かります。

ペットの特別費を毎月に均す積立のコツ

12個の瓶と封筒にコインを分けて入れる様子と犬猫、毎月コツコツ積み立てる様子をあらわすイラスト

ペットの特別費は「発生する月」が春やお盆・年末に偏りがちです。そのままにしておくと特定の月だけ家計が苦しくなるので、年間の特別費を先に洗い出し、12で割って毎月コツコツ積み立てるのが基本の考え方です。

年額÷12で毎月の積立額を出す

たとえば小型犬で、ワクチン・健康診断2万円+狂犬病4,000円+フィラリア等1.5万円+トリミング年8万円+ペット保険3万円+医療費の備え5万円=年約20万円と見積もったとします。これを12で割ると毎月およそ1.7万円。この金額を毎月別口座や袋に取り分けておけば、春の予防医療ラッシュもお盆の預け代も、慌てずに支払えます。金額はあくまで目安なので、実際には我が家のペットの年間費用を書き出して計算してみてください。特別費全体の積立の考え方は特別費の積立方法で詳しく解説しています。ペット費用を含めた我が家の特別費に何を入れるべきか迷ったら、特別費の項目一覧もあわせてチェックすると抜け漏れを防げます。

ペットの年間費用に関するよくある質問

Q. ペットの費用は毎月の生活費に入れてよい?
フードや消耗品など毎月一定のものは生活費でOKですが、ワクチン・トリミング・医療費など年単位でまとまるものは特別費として分けて管理するほうが家計が安定します。

Q. ペット保険には入るべき?
加入は各家庭の判断ですが、保険料自体が年2万〜4万円の特別費になります。保険に入る・入らないにかかわらず、突然の高額医療に備えた積立は用意しておくと安心です。なお本記事は保険加入を勧誘するものではなく、判断材料の提供を目的としています。

Q. 一人暮らしでペットを飼うと費用は変わる?
基本的な費用は世帯人数に関係なくかかります。一人で家計を支える分、特別費の積立をより計画的に行うことが大切です。一人暮らしの特別費もあわせて参考にしてください。

Q. 2匹以上(多頭飼い)だと費用はどうなる?
フードや医療費、トリミングなどは基本的に頭数分かかるため、2匹なら年間費用も概ね2倍が目安になります。ワクチンや健康診断の時期が重なると同じ月に出費が集中しやすいので、多頭飼いこそ年間の特別費を先に洗い出して積み立てておくと安心です。

Q. 年をとると費用は増える?
シニア期に入ると通院や検査の回数が増え、慢性疾患のケアや投薬が必要になるケースも多く、医療費は若い頃より増える傾向があります。元気なうちから医療費用の積立を続けておくことが、いざというときの支えになります。

まとめ|ペットの年間費用は「特別費」で先回りして備える

ペットの年間費用は犬で約41万円、猫で約20万円が平均の目安。その多くはワクチン・トリミング・去勢避妊・医療費といった特別費で、発生する月が偏っているのが特徴です。毎月のフード代だけでなく、年単位でかかるまとまった出費を先に洗い出し、年額÷12で毎月積み立てておけば、大切な家族であるペットのために慌てず備えられます。まずは我が家のペットの1年間の出費を書き出すところから始めてみましょう。

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※本記事は家計の計画・見える化を目的とした情報提供であり、金融商品の勧誘や投資助言ではありません。掲載の金額はすべて目安です。

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この記事を書いた人

特別費カレンダー 企画・運営者。「毎月きちんと家計簿をつけているのに、車検や税金、帰省が重なる月に家計がドカンと狂う」という自身の経験から、月次家計簿に乗らない“年単位の出費(特別費)”を1月1日に見える化し、毎月の積立額を自動計算するアプリ『特別費カレンダー』を開発しました。むずかしい家計管理を、だれでも無理なく続けられる形にすることをテーマに、特別費の考え方・年間スケジュールの立て方・積立のコツをわかりやすく発信しています。

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