地震保険料はいくら?都道府県別・構造別の相場と割引・控除、特別費としての備え方【2026年版】

地震保険に備える家と貯金箱・カレンダーのイラスト

地震保険料は、いくらかかるのでしょうか。結論から言うと、地震保険料は「建物の所在地」と「建物の構造」で決まり、保険金額1,000万円・1年あたり7,300円〜41,100円(割引なし)が目安です。東京・神奈川・静岡の木造なら年間4万円を超える一方、北海道や福岡の鉄骨・コンクリート造なら1万円未満という差があります。火災保険の更新時にまとめて請求される年もあり、「毎年ではないのに、出ていくときは大きい」という典型的な特別費です。この記事では、地震保険料の仕組み、地域別・構造別の目安、わが家の保険料の試算方法、割引、地震保険料控除、そして特別費としての積立の考え方までを、家計管理の視点で整理します。

火災保険の見直しを考えている方や、住宅ローンの借り換え・更新のタイミングで「地震保険は入るべき? 保険料はいくら?」と迷っている方の参考になれば幸いです。火災保険そのものの相場は火災保険料の相場の記事で解説しているので、あわせてご覧ください。

目次

地震保険料はどう決まる? 仕組みと基本の考え方

木造の一戸建てと鉄筋のマンション、日本地図のイラスト

まず押さえたいのは、地震保険は単独では契約できず、火災保険とセットで契約する制度だということです。火災保険は地震・噴火・津波による火災や損壊を補償の対象外としているため、これらに備えるには地震保険を付ける必要があります。日本損害保険協会や損害保険料率算出機構の説明でも、地震保険は火災保険に付帯する形でのみ契約でき、建物と家財のそれぞれで契約することが示されています。

保険料の決まり方はシンプルで、基本的には次の3つの要素で決まります。

① 建物の所在地(都道府県)

地震の発生リスクが高いとされる地域ほど保険料は高くなります。都道府県ごとに料率区分が分かれており、同じ構造・同じ保険金額でも、東京都と北海道では約3.7〜3.8倍の差が出ます。

② 建物の構造(イ構造・ロ構造)

火災保険の構造区分をもとに、鉄骨・コンクリート造などの「イ構造」と、木造などの「ロ構造」の2つに分けられます。一般に木造のロ構造のほうが、イ構造より保険料は高く設定されています。マンションはイ構造、一戸建ての木造はロ構造になるケースが多いと考えておくとイメージしやすいでしょう。

③ 保険金額と保険期間

地震保険の保険金額は、火災保険の保険金額の30%〜50%の範囲で設定します。ただし限度額があり、建物は5,000万円、家財は1,000万円までです。保険期間は1年ごとに自動継続する方式のほか、最長5年の長期契約もあり、火災保険の期間に合わせて組み立てます。

なお、地震保険は「損をしないための商品」ではなく、「地震で生活が立ち行かなくなるのを防ぐための土台」という位置づけです。支払われる保険金は、建て替え費用の全額をまかなうものではなく、被災後の生活再建の第一歩を支える水準に設計されています。この点は、後半の「受け取れる保険金」の章で詳しく見ます。

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地震保険料の目安|都道府県別・構造別の年間保険料

価格タグと日本地図、積まれたコインのイラスト

では、実際の金額を見てみましょう。下の表は、保険金額1,000万円・保険期間1年・各種割引なしの場合の年間保険料の目安です(2022年10月以降に保険が始まる契約に適用されている基準料率にもとづく目安)。契約する保険会社や代理店によって取り扱いが異なる場合があるため、実際の金額は必ず見積もりでご確認ください。

建物の所在地(例) イ構造(鉄骨・コンクリート造など) ロ構造(木造など)
北海道・福岡県 7,300円 11,200円
宮城県・愛知県・大阪府 11,600円 19,500円
東京都・神奈川県・静岡県 27,500円 41,100円

表のとおり、最も安い区分(イ構造・7,300円)と最も高い区分(ロ構造・41,100円)では5倍以上の開きがあります。月あたりに直すと、東京都のイ構造で約2,300円、ロ構造で約3,400円、北海道のイ構造なら約600円、ロ構造でも約900円という水準です。

この表から読み取れる3つのポイント

1つ目は、「地域差」が想像以上に大きいことです。首都圏や東海地方は区分が高く、北海道や九州の一部は低く設定されています。引っ越しを機に火災保険を契約し直す場合は、地震保険料が大きく変わる可能性があることを頭に入れておきましょう。

2つ目は、構造の違いが家計に響くことです。同じ東京都でも、イ構造とロ構造では年間で13,600円(1,000万円あたり)の差が出ます。建物の構造は購入後に変えられないため、家を選ぶ段階から維持費の一部として意識しておくと安心です。

3つ目は、金額は保険金額に比例することです。上の表は1,000万円あたりの金額なので、保険金額が2,000万円なら2倍、500万円なら半分になります。次の章で、実際の保険金額を当てはめて計算してみましょう。

保険金額の決め方と、わが家の保険料を試算してみよう

家の模型と家具、計算機とノートを並べて保険金額を考える食卓のイラスト

地震保険の保険金額は、火災保険の保険金額の30%〜50%の範囲内で自分で選びます。「いくらに設定すればいいの?」と悩む方が多いのですが、考え方の軸は「被災後の生活をどこまで立て直したいか」と「毎年の保険料負担をどこまで許容できるか」のバランスです。

試算の例:東京都の木造戸建て(ロ構造)の場合

火災保険の保険金額が建物2,000万円・家財800万円、地震保険はそれぞれ上限の50%(建物1,000万円・家財400万円)に設定したと仮定します。1,000万円あたりの保険料が41,100円なので、概算は次のとおりです。

  • 建物(1,000万円):41,100円
  • 家財(400万円):約16,440円
  • 合計:約57,500円/年(月あたり約4,800円)

同じ条件で、保険金額の割合を30%(建物600万円・家財240万円)にすると、概算は約34,500円/年となり、年間で2万円以上の差が出ます。一方、北海道や福岡県のロ構造(1,000万円あたり11,200円)で50%に設定した場合は、約15,700円/年(月あたり約1,300円)、大阪府や愛知県のロ構造(同19,500円)なら約27,300円/年(月あたり約2,300円)です。

※上記は建物と家財に同じ基準料率を当てはめた概算で、割引や契約条件によって変わります。

保険金額を決めるときの3つの目安

  • 貯蓄で補える範囲を考える:地震後の仮住まい費用や家具の買い直しを、手元の貯蓄でどこまで賄えるかを先に見積もります。
  • 住宅ローンの残りを意識する:被災しても住宅ローンの返済は続くため、返済負担と生活再建費用の両方を考えます。
  • 家財も忘れずに:家具・家電・衣類は意外に高額です。家電の買い替え費用の目安は家電の買い替え費用の記事も参考になります。

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地震保険で受け取れる保険金|全損・大半損・小半損・一部損

被害の大きさが異なる4軒の家と積まれたコインのイラスト

保険料の次に気になるのが「いくら受け取れるのか」でしょう。地震保険では、損害の程度を全損・大半損・小半損・一部損の4区分で認定し、区分ごとに決まった割合の保険金が支払われます。損害額そのものを実費精算する仕組みではなく、認定区分に応じた定額払いに近い形です。

損害保険料率算出機構が公表している基準では、建物の場合、主要構造部の損害額が時価の50%以上で全損、40%以上50%未満で大半損、20%以上40%未満で小半損、3%以上20%未満で一部損と認定されます。支払割合は次のとおりです(家財の判定基準は建物と異なり、全損は損害額が時価の80%以上などの基準があります)。

損害の区分 支払われる保険金(地震保険金額に対する割合) 保険金額1,000万円の場合
全損 100%(時価額が限度) 1,000万円
大半損 60%(時価の60%が限度) 600万円
小半損 30%(時価の30%が限度) 300万円
一部損 5%(時価の5%が限度) 50万円

ここで大切なのは、一部損にも満たない損害(損害額が3%未満など)では保険金が支払われないことと、建物と家財は別々に認定されることです。「少し壁にひびが入った程度」では対象外となる場合があるため、地震保険は「大きな被害に備える保険」と理解しておくと、期待値のずれが起きにくくなります。

加入率から見る「備えている家庭」の実態

火災保険に地震保険をセットで契約している割合(付帯率)は、2024年度の全国で約70%とされています。つまり、10世帯のうち7世帯ほどが火災保険と合わせて地震保険に入っている計算です。保険料は決して安くありませんが、「入っていなかったために生活再建が遅れた」という事態を避けたい家庭が多いことがうかがえます。

地震保険料を抑える割引制度と長期契約のポイント

耐震構造の家と割引タグ、5枚の長期契約カレンダーのイラスト

地震保険料は、条件を満たせば割引を受けられます。損害保険協会のご契約のしおりなどでは、次の4つの割引が紹介されています。いずれも重複して適用することはできません。

割引の種類 割引率 主な条件
免震建築物割引 50% 品確法にもとづく免震建築物であること
耐震等級割引 等級1:10%/等級2:30%/等級3:50% 品確法の耐震等級を満たすこと
耐震診断割引 10% 地方公共団体等の耐震診断・改修で、現行の耐震基準を満たすこと
建築年割引 10% 昭和56年6月1日以降に新築された建物

たとえば昭和56年6月1日以降に建てられた家であれば、建築年割引の対象になる可能性があります。申請には建物の登記簿謄本や検査済証などの確認資料が必要なので、契約時に代理店へ相談しましょう。新築の戸建てで耐震等級3を取得している場合は、50%もの割引が受けられます。

長期契約(2〜5年)で一括払いにすると割安に

地震保険は最長5年の長期契約ができ、長期係数は2年1.90、3年2.85、4年3.75、5年4.70とされています。たとえば東京都のロ構造(1,000万円あたり41,100円)で5年契約にすると、41,100円×4.70=193,170円となり、1年更新を5回繰り返した場合の205,500円より約12,000円安くなります。一方で、契約時にまとまった金額を一度に払うことになるため、火災保険の更新月に大きな出費が発生する特別費になります。

長期契約を選ぶときの注意点は、期間中の保険料改定や、家計の状況が変わっても簡単には見直せないことです。ライフステージの変化が多い30〜40代は、1年契約と長期契約のどちらが自分の家計に合うか、年払い・一括払いの考え方を含めて検討しましょう。年払いの保険全般の備え方は年払いの保険料で家計が崩れない備え方で詳しく紹介しています。

地震保険料控除で税金はいくら軽くなる?

確定申告の書類と控除証明書、計算機、財布に戻るコインのイラスト

地震保険に入っていると、年末調整や確定申告で地震保険料控除を受けられます。国税庁の説明によると、所得税では年間の地震保険料が5万円以下なら支払金額の全額、5万円を超える場合は一律5万円が控除額の上限です(旧長期損害保険料がある場合も、合計で最高5万円)。

たとえば、年間の地震保険料が57,500円の家庭なら控除額は上限の50,000円です。所得税率が10%の方なら、所得税が約5,000円軽くなる計算になります(住民税にも同様の控除の仕組みがあります。上限額や計算は、お住まいの自治体の案内でご確認ください)。節税のために保険に入る必要はありませんが、実質的な負担がわずかに下がる点は知っておきたいところです。

手続きで忘れがちなこと

  • 保険会社から10〜11月ごろに届く控除証明書を保管しておく
  • 会社員は年末調整の書類に記入し、控除証明書を添付する
  • 年末調整で漏れた場合や自営業の場合は、確定申告で申告する
  • 長期契約で一括払いした場合の控除の扱いは、保険会社の控除証明書の記載で確認する

控除証明書の送付時期は、年末の特別費がかさむ時期と重なります。年末年始の出費の全体像は年末年始の出費の記事で確認できます。

地震保険料を特別費として備える|払う月と毎月の積立額

カレンダーと毎月コインを貯める貯金箱のあるリビングのイラスト

ここまでの内容を、家計管理の視点でまとめましょう。地震保険料は、火災保険の契約・更新月にまとめて請求されやすい、年に一度(または数年に一度)の出費です。毎月の生活費から払おうとすると、その月だけ赤字になりやすく、結果としてクレジットカードのリボ払いや貯蓄の取り崩しにつながってしまいます。

おすすめは、「年額÷12」の毎月積立で備えることです。特別費の積立方法の記事でも紹介している基本の考え方を、地震保険料に当てはめてみます。

発生する月 出費の例 目安金額 毎月の積立額
火災保険の契約・更新月(家ごとに異なる) 地震保険料(1年契約) 約15,000円〜約58,000円 約1,300円〜約4,800円
火災保険の契約・更新月(5年契約の場合) 地震保険料(5年一括) 1,000万円あたり東京ロ構造で約193,000円 約3,200円(5年=60か月で積立)
10〜11月ごろ 控除証明書の届く時期(書類保管) — —
12月(年末調整) 地震保険料控除の申告 — —

上の例はあくまで目安で、保険金額・地域・構造によって変わります。大切なのは、自分の火災保険証券を見て「更新月」と「保険料」を年間カレンダーに書き込むことです。そのうえで、同じ時期に重なりやすい出費(固定資産税や自動車関連など)と合わせて年間の特別費の山を把握しておきましょう。特別費の年間スケジュールの作り方と、毎月の積立額の出し方を解説した特別費は毎月いくら積み立てる?も参考になります。

地震への備えは「保険」と「現金」の両輪で

地震保険の保険金は、生活再建の土台にはなりますが、すべてを賄うものではありません。保険料を払うだけでなく、防災グッズや非常用の現金といった「保険ではカバーしきれない部分」への備えも必要です。防災用品の費用は防災グッズの費用の記事で目安を紹介しています。

特別費全体の考え方をはじめて知る方は、特別費とは何かから読むと全体像がつかみやすくなります。

まとめ|地震保険料は「年に一度の大きな出費」として計画的に

朝日の中で家を見つめる家族と貯金箱・チェックリストのイラスト

地震保険料について、ポイントを整理します。

  • 地震保険は火災保険とセットで契約し、保険金額は火災保険の30%〜50%(建物は上限5,000万円、家財は上限1,000万円)。
  • 保険料は建物の所在地と構造で決まり、1,000万円・1年あたり7,300円〜41,100円(割引なし)が目安。
  • 全損・大半損・小半損・一部損の4区分で保険金が決まり、損害が小さい場合は支払われないこともある。
  • 耐震等級や建築年などの割引があり、長期契約(最長5年)で割安になる場合もある。
  • 地震保険料控除は所得税で最高5万円。控除証明書の保管と年末調整・確定申告を忘れずに。
  • 契約・更新月の出費は、年額÷12の積立で備えると家計が安定する。

地震保険は、「入るかどうか」だけでなく「いつ・いくら払うか」を年間カレンダーに書き込んでおくことで、家計の負担感が大きく変わります。まずは火災保険証券を手元に出して、更新月と保険料を確認するところから始めましょう。

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参考にした情報源(一次情報)

本記事に掲載の金額は目安であり、各情報源を確認した時点(2026年10月)の内容にもとづいています。実際の保険料や制度は、契約する保険会社・代理店や各機関の最新情報でご確認ください。

※本記事は家計の計画・見える化を目的とした情報提供であり、金融商品の勧誘や投資助言ではありません。掲載の金額はすべて目安です。

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この記事を書いた人

特別費カレンダー 企画・運営者。「毎月きちんと家計簿をつけているのに、車検や税金、帰省が重なる月に家計がドカンと狂う」という自身の経験から、月次家計簿に乗らない“年単位の出費(特別費)”を1月1日に見える化し、毎月の積立額を自動計算するアプリ『特別費カレンダー』を開発しました。むずかしい家計管理を、だれでも無理なく続けられる形にすることをテーマに、特別費の考え方・年間スケジュールの立て方・積立のコツをわかりやすく発信しています。

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